○西置賜行政組合火災調査規程事務処理要綱

令和5年12月6日

訓令第3号

西置賜行政組合火災調査規程事務処理要綱(平成5年12月14日制定)の全部を改正する。

第1 趣旨

この要綱は、西置賜行政組合火災調査規程(平成5年訓令第6号)第59条の規定に基づき、規程の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

第2 用語の意義

1 「火災」とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

2 「鑑定」とは、出火原因に係る物件の形状、構造、材質、成分、性質及びこれに関連する現象について科学技術手法により、必要な試験を行い、その結果をもとに火災原因判定のための資料を得ることをいう。

3 「調査員」とは、調査に従事する消防職員をいう。

4 「建物」とは、土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物に設けた事務所、店舗、興業場、倉庫その他これらに類する施設をいい、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。

5 「建物の収容物」とは、原則として柱、壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されているものをいう。

6 「車両」とは、原動機を用いて陸上を移動することを目的として製作された用具であって自動車、汽車、電車及び原動機付自転車をいう。

7 「船舶」とは、独行機能を有する帆船、汽船及び端舟並びに単独機能を有しない住宅船、倉庫船、はしけ等をいう。

8 「航空機」とは、航空法(昭和27年法律第231号)第2条第1項に定めるものをいう。

9 「林野」とは、森林、原野又は牧野をいう。

(1) 「森林」とは、森林法(昭和26年法律第249号)第2条第1項に定めるものをいう。

(2) 「原野」とは、自然に雑草、かん木類が生育している土地で人が利用しないものをいう。

(3) 「牧野」とは、主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地(耕地の目的に供される土地を除く。)をいう。

10 「用途」とは、建物が占有されている目的をいう。

11 「業態」とは、一定の有機的、物理的場所(以下「事業所」という。)において業として行われる事業の形態をいい、教育、宗教、公務、非営利団体等の諸活動を含む。

12 「発火源」とは、出火に直接関係し、又はそれ自体から出火したものをいう。

13 「経過」とは、出火に関係した現象、状態又は行為をいう。

14 「着火物」とは、発火源によって最初に着火したものをいう。

第3 火災件数

1 「1件の火災」とは、一つの出火点から拡大したもので、出火から鎮火に至るまでをいう。

2 飛火による火災及び消防隊が現場から引き揚げた後に発生した火災は、別件の火災とする。

3 一つの消防対象物で、出火点が2箇所以上ある火災のうち次の各号に掲げるものは、1件の火災として取り扱うものとする。

(1) 同一人又は共謀して2人以上の者が行った連続行為による放火又は火遊びによる火災

(2) 同一の漏電による同時出火の火災

(3) 地震、落雷等による同時出火の火災

第4 出火点の判定

同一の消防対象物に出火点が2箇所以上ある場合で、1件の火災として取り扱う場合の出火点の判定は、次によるものとする。

(1) 焼損程度の大なる方とする。

(2) 焼損程度が同じ場合は、発見状況又は焼き状況から推定する。

第5 火災の種別

1 建物火災

(1) 建物火災にいう建物とは、使用目的等から実態的に判断することとし、また、人の居住を前提としているものではなく、屋根、柱のみで雨風が容易に入るものでも建物とみなす。原則として、床面積1.5平方メートル以上のもので、通常人が出入りできる高さ(おおむね1.8メートル)を有するものであるが、機能・構造等から建物として扱えないものを除く。

(2) 建築中の建物の取扱い

ア 木造及び防火構造の建物は、屋根を瓦、金属板等で葺き終わった時点から建物とみなす。

イ 準耐火及び耐火建物については、スラブのコンクリートを流し込んだ時点から建物とみなす。

(3) 古くなった車両、船舶等を改造して店舗等に利用しているものが焼損した場合、土地に定着していれば建物火災として取り扱う。

(4) 収容物の火災

ア 共同住宅のベランダ等に置かれたダンボール箱等が燃えた火災は、建物内ではないが建物の収容物とみなして建物火災として取り扱う。

イ ポーチ、ピロティの下に置かれた物、車庫内から半分以上はみ出しているような車両等、建物の収容物と一体化しているとは認められないようなものについては収容物に含まない。

ウ 住宅に設置された外風呂釜等は、建物内の収容物と一体化しているものとみなして建物火災として取り扱う。

エ 倉庫内から連続して屋外に商品が並べてあり、屋外の商品が燃えた場合は、建物火災として取り扱う。

なお、はみ出した状態が建物内部の商品等と連続しておらず、明らかに内部と区分された状態にあり、これが焼損した場合には、その他火災として取り扱う。

(5) 園芸用につくられたハウスについては、原則として、ビニールハウスは建物としないが、ガラス板でできているもので容易に取り外せないハウスが焼損した場合は、建物火災として取り扱う。

2 車両火災

自動車車両にいう「原動機によって運行することができる車両」については、登録の有無を問わないが、玩具用、競技用又は専ら競技用に供されているものは含まない。

なお、「被けん引車」とは、原動機によって運行できる車によって「けん引」させる目的でつくられた車をいうが、車両にけん引されているリヤカー、荷車その他の軽車両を含むものとする。

3 その他火災

次のものが焼損した場合は、その他火災として取り扱うものとする。

(1) 建物以外の工作物

(2) 建物に取り付けられた物件(看板、ネオン塔、広告塔、物干し、日除け等)

(3) 電柱、架線、塔等の工作物

(4) 農地、宅地、空地、河川敷等の上にある立木、竹、雑草、枯草及び物件

第6 少年に関する取扱い

現場における立会人は、原則として親権者とする。ただし、このため真実の申述が得られないと認められる場合、親権者以外の家族、教師、雇主等を立ち会わせるものとする。

第7 質問

現場到着時見分を行うと同時に関係者に対する聴取を次の要領で行うものとする。

1 質問要領

(1) 関係者の気持ちを落ち着かせる。

(2) 質問は一問一答とする。

(3) 相手の立場を考慮する。

(4) 誘導的な質問を避ける。

2 関係者等に対する質問

(1) 出火者及び火元建物関係者

ア 建物内の人の状況と避難の有無

イ 建物内の危険物品等の貯蔵及び使用の有無

ウ 出火直前及び直後の行動

エ 住所、氏名、年齢(生年月日)、職業、家族構成及び従業員構成

オ り災建物用途、階数及び構造

(2) 発見者、通報者及び初期消火者に対する質問事項

ア 火災をどこで、どのようにして知ったか

イ 見た位置、何がどのように燃えていたか、他に人が居たかどうか

ウ 火災を知ってからどうしたか、どこからどのようにして避難したか

エ 消火、通報行為の実施の有無

オ 通報は、どこの電話で、誰がどこへ知らせたか

カ 消火用具若しくは器具の種類及び消火効果の有無

キ 住所、氏名、年齢(生年月日)、職業及び電話番号

第8 救急隊員の情報収集

救急隊員は、負傷者を医療機関へ搬送途上又は搬送後においてその者の容態を悪化させない範囲で積極的に質問を行い、火災発見時の状況等の情報収集に努めるものとする。

第9 現場保存

1 現場保存区域を決定したときは、網張り等で区画を行わなければならない。

2 区域内で調査上重要な物件が、変形又は変質するおそれがあるときは、被覆物を置く等適切な方法によって保存しなければならない。

3 区域内の状況を変更する必要があるときは、その変更に先だち写真、図面等の方法で変更前の状況を明らかにしておかなければならない。

4 上記1、2、3を行う際は、警察官と協議して行うものとする。

第10 火災による死傷者への対応

1 死傷者発生時は、その者の名前、年齢、性別、現住所、発生場所等を確認し、さらに負傷者については負傷の部位及び程度を確認する。

2 焼死者に対しては、被覆物で覆い、現場保存に努める。

第11 実況見分

実況見分は、次により行うものとする。

(1) 建物及び物件の焼き状況、損害状況、人的被害の発生理由等を調査する見分であること。

(2) 消防設備等の設置及び利用状況、延焼経路等を調査する見分であること。

(3) 焼き状況が2棟以上のときは、棟ごとの見分を行い、1棟内で所有者又は占有者が分かれているときは、その区分ごとに行うこと。

(4) 現場発掘での注意事項は、次によるものとする。

ア 現場発掘作業の前提として、その火災状況を十分検討し掌握しておかなければならない。

イ 出火箇所が推定できるときは、出火箇所を中心に周辺から順次行う。

ウ 出火箇所が不明なときは、全般的な焼き状況、関係者等の申述等を検討して推定できる箇所周辺から行う。

エ 堆積物件は、階層別に所在を明らかに区分すると同時に出火前の位置関係を明確にし、復元を容易に行えるように配意する。

オ 出火箇所の発掘は、細心の注意を払い、局部的な発掘を避け、上部から下部へ順次慎重に行う。

カ 発掘された物件は、みだりにその位置を移動しない。

キ 発掘現場は、刻々変化するため、発掘された物件で必要なものは図面上に記録し、重要物件について写真撮影を行う。

第12 写真の撮影等

写真撮影の注意事項は、次によるものとする。

(1) 鎮火後の焼き状況の撮影は、焼失家屋の全景、出火場所の焼きの状況、発火源の状態、焼き程度の差異、延焼経路等について行うものとする。

(2) 焼き物件の撮影は、焼き物件の全体における位置、各部分との関連を説明できる範囲で写す。

(1) 努めて人物を入れないように撮影する。

第13 書類の作成

1 火災調査事項照会書の作成(第13条様式第1号関係)

(1) 照会事項は明確に記載し、疑義を与えないようにする。

(2) 通報の期限を定めて照会するときは、照会先の都合等を考慮して無理のない日数とすること。

2 資料提出命令書(第22条様式第3号関係)・報告徴収書(第22条第2項様式第11号関係)の作成

(1) あて先は、製品の製造業者(又は輸入業者)や関係者(所有者、管理者又は占有者)を記入する。

(2) 資料提出命令書は、主に、資料として既に作成済みのものや、法令によって作成が義務付けられているものを対象として、相手方に対して提出することを命じる場合に使用する。

(3) 報告徴収書は、主に、資料として現に存在していないものを対象として、相手方に対して文書等を作成して提出するよう要求する場合に使用する。

3 資料提出書の作成(第23条様式第4号関係)

返却する必要がある場合は、(処分)の文字を削除すること。

4 資料保管書の作成(第24条様式第6号関係)

(1) あて先は、資料を提出した者の住所及び氏名を記入する。

(2) 「記」は、提出された資料を具体的に記入する。

例 全体的に焼損した○○の一部変形した○○社製、しん上下式反射式型ストーブ1個(型式等不明)及びガソリン臭のする燃料○○リットル

5 保管票の作成(第24条第2項様式第8号関係)

(1) この票は、保管物品すべてに添付するものとして、紛失、き損等がないように整理する。

(2) 年月日の欄は、出火年月日を記入する。

(3) 番号の欄は、資料を保管した一連の番号を歴年で記入する。

(4) 返還の要否の欄は、いずれか○で囲む。

6 保管品台帳の作成(第24条第2項様式第7号関係)

(1) 職業(職)・氏名の欄は、火元者の職業及び氏名を記入する。採取事由の欄は、資料を求めた理由を記入する。

例 出火原因判定のため

(2) 原因概要の欄は、出火原因の概要を記入する。

(3) 受領者の欄は、受領者が記入する。

(4) 対象番号の欄は、保管票の番号と同じものを記入する。

(5) 品目の欄は、資料の固有名を記入する。

(6) 提出者住所氏名の欄は、資料を提出した者の住所及び氏名を記入する。

(7) 所有者住所氏名の欄は、資料の所有権を有する者の住所及び氏名を記入する。

(8) 備考の欄は、資料を返還し、又は処分した場合に年月日等を記入する。

7 質問調査書の作成(第20条様式第2号関係)

(1) 作成者は、質問者が作成する。

(2) 質問を同一人に複数回にわたり行うときは、質問調査書に1回目、2回目と記入する。

(3) 質問方法は、対面又は電話等による聴取、若しくはメール等による質問とする。

(4) 聴取した内容の確認は、申述者に対して聴取した内容の「読み聞かせ」を行い、申述内容と聴取内容に誤りがないことを確認する。メール等の質問方法による場合は、最終的に作成した質問調査書の内容を送付するなどの方法により申述者に確認してもらう。

(記載例1) 立ち会いで聴取した場合

上記のとおり記録した内容を読み聞かせ、誤りがないことを確認した。

(記載例2) 通訳者がいる場合

上記のとおり記録した内容を通訳者(○○○○)を介して読み聞かせ、誤りがないことを確認した。

(記載例3) 申述が年少者であり、立会人がいる場合

上記のとおり記録した内容を立会人(○○○○(父親))に対して読み聞かせ、誤りがないことを確認した。

(記載例4) 申述者が記録した内容を否定した場合

上記のとおり記録した内容を読み聞かせ、確認を行ったが、申述者は以下の内容について否定した。

・○○○

・○○○

(記載例5) 確認を行った後、申述した内容について申述者から訂正、削除、追加等の申し入れがあった場合

上記のとおり記録した内容を読み聞かせ、確認を行ったところ、次のとおり変更の申し入れがあった。

1 ○頁○行「知っていました」の前に「○○さんから聞いて」を挿入する。

2 ○頁○行「天井と壁から」を「天井から」に訂正する。

3 ○頁○行「確かに」と記載してある部分を削除する。

(記載例6) 聴取した内容をメールで確認した場合の例

上記のとおり記録した内容をメールにより送付し、誤りがないことを確認した。

(5) 質問内容

申述者への内容は、住所、職業、氏名及び年齢(生年月日)のほか次の事項とする。

ア 第一発見者からの質問の基本的事項は、第7の2の(2)アからウ及びキについて行う。

イ 通報者からの質問の基本的事項は、第7の2の(2)アからオ及びキについて行う。

ウ 出火者、関係者等からの質問の基本的事項は、次によるものとする。

(ア) 火災発見時の状況は、第7の2の(1)を準用する。

(イ) 発見後の状況

a 通報する際の行動と、その間に気付いたこと。

b 初期消火における行動と、その間に気付いたこと。

c 初期消火直前の燃焼状況、位置及び推定時刻

d 通報又は初期消火できなかった場合は、その理由

(ウ) 建物状況は、予測した出火建物又は出火箇所について次の質問を行う。

a 用途、構造及び収容物とその配置(火気関係を含む。)

b 火災になる直前又は数時間前からの人の出入りと行動

c 火災になる直前又は数時間前からの火気使用時間及び火気使用器具等が日頃正常に働いていたかについて

(エ) 火災の原因究明のために、火気関係についてさらに詳細に次の質問を行う。

a 火災原因となったと思われる火気物とその周囲にあった可燃物との距離等

b 火気物を使用中の心理状態又は何か考えていたことなど、心理、動向

c 火気物の使用、操作要領、燃料、使用時間、構造、購入年月日(商品名、製造社名、型式)使用時の状態及び作業工程(平常時と異なったこと)について

d 火気物から離れた理由、離れるときに行った処置又は使用後における処置

e 出火原因が危険物等にあると予測される場合又は延焼拡大素因のあった場合は、危険物の使用の有無、許可状況、購入先、法令に基づく使用及び取り扱い状況

(オ) 消防設備の設置、管理及び使用の状況

(カ) 防火管理業務の状況

(キ) その他火災に関して必要な事項

8 出火出動時における見分調査書の作成(第31条様式第12号関係)

(1) 作成者は、原則として最先着隊の指揮者(小隊長以上)とする。

(2) 「出動途上における見分状況」は、次により記載する。

ア 火災覚知時の位置状況

イ 出動途上時の火煙、悪臭、異音、爆発等の状況とその確認時の位置

ウ 踏切の遮断、交通渋滞及びその他現場到着の遅延理由

エ 部署位置

(3) 「現場到着時における見分状況」は、次により記載する。

ア 下車後の行動

イ 出火建物及び周囲建物の火煙の状況、延焼状況、屋根の燃え抜け、軒先、開口部からの火煙の噴出状況、火勢の強弱と確認時の位置

ウ 隣棟等への延焼状況

エ 異臭、異音、爆発等の特異な現象と確認時の位置・確認事項

オ 関係者等の負傷、服装、行動の概要及び応答内容

カ 建物の出入口、窓、シャッター等の開閉及び施錠状態

キ 消防用設備等の作動及び使用状況

ク 焼損建物の構造

ケ その他必要な事項

(4) 「消防活動中における見分状況」は、次により記載する。

ア 延焼拡大状況

イ 関係者等の発言及び応答内容

ウ 残火処理に伴う出火箇所付近の物件の移動、倒壊及び損壊の状況

エ 漏洩電流、ガス漏れの有無、ガス栓の開閉状態及びその他火災原因判定に必要な事項

オ 防火戸の開閉及び作動状況

カ 避難状況及び救助・避難誘導状況

キ 死傷者の発見、救助の状況

ク その他の必要な事項

9 実況(鑑識)見分調査書の作成(第32条様式第13号関係)

(1) 実況見分調査書

ア 作成上の注意

(ア) 現場で見分を行ったものが作成する。

(イ) 写真及び図面により補足し、事実を明確にわかるよう記載しなければならない。

(ウ) 実況見分の結果は、事実を正しく客観的に記載し、判断や推測をもって記載してはならない。

(エ) 火災現場における見分者は、認知した現象及び物件の状況をありのまま記載する。

イ 記載内容

(ア) 現場の位置及び付近の状況

a 付近にある著名な建物やその他の目標を明示して現場を記載する。

b 現場を中心とした周囲の地形や道路の状況、建物の粗密や老朽度、構造等の概要、水利及びその他の状況を記載する。

(イ) 現場の模様

a 現場発掘前の火災現場全域にわたる見分状況を記載する。

b り災建物の概括的な焼損、倒壊及び水損程度等の模様を記載する。

c り災建物の配置、構造及び階層並びに占有、管理及び所有の状況を記載する。

d 出火建物の各室の状況を記載する。

(ウ) 焼損状況

a 出火箇所と推定される部分を中心として焼け止まりの部屋等から順次出火箇所と推定される部分に向かって系統づけて記載する。

b 周辺は概括的に出火箇所へと近づくにつれ詳細に記載する。

c 出火箇所の判定や出火原因の判定に必要な焼き状況及びその他の見分事実を記載する。

(エ) 見分内容を明らかにするために必要な写真及び次の図面を添付する。

a 現場案内図

b 焼損状況を表示したり災建物等の配置図

c り災建物の平面図

d その他必要と認める図面(出火箇所付近の物品配置図、復元図等)

(オ) 図面作成上の注意

a 正確な縮図とし、縮尺を記入する。

b 原則として北側が上方となるよう作図し、方位を記入する。

c 図面に用いる記号については、消防用図式記号等を参考にすること。

(2) 鑑識見分調査書

ア 作成上の注意

(ア) 発火源で器具が考えられる場合は鑑識を実施すること。

(イ) 製品等を鑑識した場合、製品の型式や製造メーカー等は必ず見分の始めに記載する。

(ウ) 実験等を実施した場合も本調査書を作成する。

(エ) なるべく同型品と比べて鑑識をし、必ず焼損品と同型品の写真両方を使用して見分調査書を書くこと。

(オ) 図面・製品の説明書等の資料は調査書の後に添付する。

イ 現場の位置及び付近の状況及びり災概要

(ア) 鑑識を実施した場合

a 鑑識物件の状況

(a) 鑑識物件の製品名、メーカー名、製造年月、型式及び消費電力(消費カロリー)等を記載する。

(b) 鑑識物件の社告状況も必ず記入する。社告該当品の場合、社告年月日、社告内容及び該当物件が社告対策を実施したかどうかを記載する。

(c) 物件の外観を見分し、その後分解しながら順に見分していく。同型品は努めて入手し、焼損品と並べて見分を進めることが望ましい。

b 写真撮影について

物件内部の焼損状況の見分がしやすいよう、メーカーの立会人等に分解し、各種の部品を見分するごとに部品の名称等を質問し、各種部品の名称や矢印等の表示を付してから写真を撮影する。

(イ) 実験を実施した場合

a 実験の目的

実験を実施する目的を記載する。

b 実験内容

(a) 使用器具:実験で設定した条件及び実験に使用した器具等を細かく記載する。なお、実験に使用した測定器具等については、メーカー名や製品名も詳細に記載する。

(b) 設定条件:実験の設定条件を詳細に記載する。なお、設定状況や条件は表や図面、写真等を活用し、分かりやすく記載する。設定時の器具や資料の距離、大きさ及び量なども正確に記載する。

(c) 雰囲気の温度や経過時間等も客観的に分かりやすく記載する。

(d) 途中で設定や条件を変更した場合等も、その都度客観的に記載する。

c 実験結果

実験で得た結果を客観的に記載する。

d 実験の考察について

実験の結果から得た考察は、本調書には記載しない。本調書の実験結果までの客観的事実から、出火原因判定書で検討を加え考察する。

10 火災原因判定書の作成(第46条様式第14号関係)

(1) 作成上の注意

ア 判定のために取り上げた事実は、必ず実況(鑑識)見分調査書や、質問調査書の内容として記載されていること。

イ 出火原因についての判定は、焼き状況に主体をおいて発火源を立証することが原則であるが、その他の火源についての反証も必ず記載されていること。

(2) 年月日の欄は、判定書を作成した年月日を記入する。

(3) 火災原因判定書の作成は、主として調査を実施し、又は担当した者が作成する。

(4) 出火建物の判定

ア 「実況見分状況」は、実況(鑑識)見分調査書に記載した焼き状況のうち、出火建物を判定するうえで必要な事項を引用し、出火建物を判定する。

イ 「出火出動時における見分状況」は、出火出動時における見分調査書に記載した状況のうち必要な事項を引用し、出火出動時の見分上の出火建物を判定する。

ウ 「発見状況」は、質問調査書によって関係者から録取した事項のうち、出火箇所を判定するうえで必要な事項を引用し、発見状況からみた出火箇所を判定する。

エ 「結論」は、前記アからウの記載事項に考察を加え、出火箇所を判定する。

(5) 出火原因の判定

ア 発火源名は、出火箇所において、出火の可能性のある発火源を列挙し、それぞれについて実況(鑑識)見分調査書、質問調査書、実験結果、回答文書及びその他資料を引用し、考察を加え、出火可能性の有無を検討する。

イ 「結論」は、前記アの記載事項に考察を加え、合理的に出火原因を判定して、火災発生誘因及び発生経過を明らかにする。

(6) その他として、保険の加入状況等を記載する。

11 死傷者調査書の作成(第49条様式第18号関係)

(1) 死傷者は、次の者について記入する。

ア 消防吏員

イ 消防団員

ウ 応急消火義務者

エ 消防協力者

オ その他の者

(2) 記載内容は、火災報告取扱要領(平成6年4月21日付け消防災第100号。以下「取扱要領」という。)に準拠して該当する項目欄にチェックを記入する。

ア 「死者の状況」、「死者の発生した経過」について、各選択肢の「その他」を選択した場合に、判明していることがあれば、特記事項欄に記載する。また、死者の発生した経緯は判明しているものの、選択肢に該当する項目がない場合は、特記事項に詳細を記載する。

イ 負傷者について、各選択肢の「その他」を選択した場合に、判明していることがあれば、特記事項欄に記載する。

(3) 死傷者の写真は、出火出動時に撮影したものは、出火出動時における見分調査書へ添付し、実況見分時に死傷者の発生場所を白ひもなどで再現して撮影したものは、実況(鑑識)見分調査書に添付する。

12 損害調査書の作成(第47条第2項様式第15号第15条の5関係)

(1) 所属、階級及び氏名の欄は、り災建物及び物件等の損害を調査し、損害状況をまとめ損害額を査定した者とする。

(2) 建築物の「用途」の欄は、当該建物内に使われる用途を記入する。

車両・船舶・航空機の「用途」の欄は、車両は貨物、乗用、乗合バス、タクシー、電動車及び貨物車等の別を記載する。船舶は貨物、客船、漁船、乗用等の別を記載する。航空機は旅客機、練習機及び医療用等の別を記載する。

(3) 車両・船舶・航空機の「登録番号」の欄は、陸運局に届け出ている車両登録番号等、その車両が特定できる番号を記入する。

(4) 車両・船舶・航空機の「自家用・営業用トン数」の欄は、該当車両等が自家用か営業用かを記載する。船舶の場合は、総トン数を記載する。

(5) 車両・船舶・航空機の「車両種別」の欄は、普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車、電車及びモノレール等の別を記載する。

(6) 「焼損床面積」の欄は、小数点第1位を四捨五入して記入する。

ア 焼損面積は、建物の焼損が立体的に及んだ場合(耐火建築物の内部が立体的に焼損した場合も含む。)に、その部分を床面積の算定方法(建築基準法施行令第2条第1項第3号)で算定するものとする。

イ 焼損表面積は建物の焼損が立体的でない場合に、焼損した部分を表面積で算定する。

(記載例)

「天井○m2」 「内壁○m2」 等

(7) 「焼損状況等」の欄は、必要に応じて次のような事項を記載する。

ア 焼損面積に計上できない箇所

イ 爆発損害の程度

ウ 消火損害の程度

(記載例)

焼損箇所:雨樋○m、レンジフード1

爆発損害:2階窓ガラス20枚

(8) 損害額の算定

損害額の査定は、り災申告書を参考として次により算定するものとし、ここに定めるもののほかは、取扱要領によるものとする。

ア 用語の意義等

(ア) 「評点数」とは、り災した建物と同一の材料を使用し、同一構造の建物を再建築するために必要な3.3平方メートル当たりの費用を昭和43年1月1日現在における1円を1点として表した数値をいい、算出した数値は小数点第1位以下を四捨五入するものとする。

(イ) 「耐用年数」とは、り災した物件の構造、材質及び仕様内容を考慮して、当該物件が通常使用に耐えられる年数をいう。

(ウ) 「最終残存率」とは、り災した物件がその耐用年数を全部経過した時点でも現に使用している場合は、その価値を認め、これ以下に価値が下がらない最低の価値率をいう。

(エ) 「減価償却の方法」とは、建物又はその他の物件を使用するに当たり、当該物件の耐用年数及び経過年数からその消耗度を考慮して減価を控除し、り災時における時価を算出する方法をいう。

(オ) 「時価単価」とは、建物の経過年数に応じて減価償却方法により又は損耗の程度を考慮して考慮し算出したり災時における3.3平方メートル当たりの価格をいい、算出した数値は、100円未満を切り捨てるものとする。

(カ) 「建築時単価」とは、建物を建築した時の3.3平方メートル当たりの価格をいう。

(キ) 「再建築費単価」とは、り災時現在において、り災した建物と同種、同規模のものを再び建築するのに通常必要とする3.3平方メートル当たりの費用をいい、算出した数値は、小数点第1位以下を四捨五入するものとする。

(ク) 「残存率」とは、減価償却の方法により、り災した物件の経過年数に応じて減価を控除した残存価格又は消耗度による残存価格の割合をいう。

(ケ) 「取得価格」とは、り災した物件の購入又は交換等により建物以外の減価償却資産を取得した時の価格をいう。

(コ) 「時価価額」とは、り災した物件の経過年数に応じて減価を控除し、算出したり災時の価額をいう。

(サ) 「建築時指数」とは、昭和13年3月の時点における建築費を1として1表の建物建築費指数表に表した数値をいう。

(シ) 「構築物」とは、工作物のうち建物に該当しない塀、電柱及び橋りょう等をいう。

(ス) 「器具及び備品」とは、それぞれの業種によって必要とする機器及び器具で、小規模の事務用若しくは医療用商工業の機器及び器具の一切又は器具什器の一切をいう。

(セ) 「機械及び装置」とは、物品の構造、加工、その他の用途に使用される機械及び装置の一切をいう。

イ 損害算出方法

(ア) 建物の損害額算出

a 建物経過年数及び建築時単価が判明している場合

1式 建築時単価×り災時の建築指数/建築時の建築指数=再建築費単価

2式 建築時単価×893(昭和42年9月期の木造建築費指数)/建築時の建築指数=3.3m2当たりの評点数

3式 再建築費単価×残存率×地域補正係数=時価単価

時価単価×焼損面積(m2)/3.3m2=建物損害額

※ 残存率は2式により「3.3m2当たりの評点数」を算出し、取扱要領2表「定額表による建物の経過残存率表」により求める。

※ 建物損害額は、算出した数値の1,000円未満を四捨五入する。

b 建物の建築時単価が不明な場合

1式 各構造部の評点数の合計+(各構造部の評点数の合計×建築設備としての割合0.15)=建築の3.3m2当たりの評点数

2式 建物の3.3m2当たりの評点数×り災時の建築費指数/893(昭和42年9月期の木造建築費指数)=再建築費単価

3式 再建築費単価×残存率×地域補正係数=時価単価

時価単価×焼損面積(m2)/3.3m2=建物損害額

※ 残存率は2式により3.3m2当たりの評点数を算出し、取扱要領2表「定額表による建物の経過残存率表」により求める。

※ 取扱要領3表「木造建物単位面積(3.3m2)当たりの評点基準表」により各構造部の評点数を求める。

※ 建物損害額は、算出した数値の1,000円未満を四捨五入する。

c 建物の経過年数及び建築時単価が不明の場合

1式 各構造部の評点数の合計+(各構造部の評点数の合計×建築設備としての割合0.15)=建築の3.3m2当たりの評点数

2式 建物の3.3m2当たりの評点数×り災時の建築費指数/893(昭和42年9月期の木造建築費指数)

3式 再建築費単価×4表の消耗度による残存率の基準表×地域補正係数=時価単価

時価単価×焼損面積(m2)/3.3m2=建物損害額

※ 残存率は2式により3.3m2当たりの評点数を算出し、取扱要領2表「定額表による建物の経過残存率表」により求める。

※ 取扱要領3表「木造建物単位面積(3.3m2)当たりの評点基準表」により各構造部の評点数を求める。

※ 建物損害額は、算出した数値の1,000円未満を四捨五入する。

(イ) 動産の損害額算出

車両、船舶、器具、備品及び構築物の損害額は次の方法により行う。

a 新品を取得した場合

車両は取扱要領7表「車両の耐用年数表」、船舶は8表「船舶の耐用年数表」、器具及び備品は9表「器具及び備品の耐用年数」、構築物は10表「構築物の耐用年数」に定める耐用年数と取得から経過した年数を11表「定率法による経年残存率表」に当てはめ残存率を求め、次の計算表により時価価格を求める。

取得価格×残存率=時価価額

修理不可能な場合は、時価価額を損害額とする。

修理可能な場合は、次の計算表により損害額を算出する。

時価価額×減損率=損害額

減損率は、取扱要領12表「動産損害額査定率表」の焼損、破損及び水損の区分に従い、り災状況に応じて減損率を求める。

※ 損害額は、算出した数値の1,000円未満を四捨五入する。

b 中古品を取得した場合

車両は取扱要領7表「車両の耐用年数表」、船舶は8表「船舶の耐用年数表」、器具及び備品は9表「器具及び備品の耐用年数表」、構築物は10表「構築物の耐用年数表」に定める耐用年数から次により新たに耐用年数を算出する。

(a) 耐用年数の全部を経過したものについては、その耐用年数の20%に相当する年数。

(b) 耐用年数の一部を経過したものについては、その耐用年数から経過年数を控除した年数に経過年数の20%に相当する年数を加算した年数。

算出した耐用年数と取得から経過した年数を取扱要領11表「定率法による経年残存率表」に当てはめ残存率を求め、次の計算式により時価価額を求める。

取得価額×残存率=時価価額

修理不可能な場合は、時価価額を損害額とする。

修理可能な場合は、次の計算式により損害額を算出する。

時価価額×減損率=損害額

減損率は、取扱要領12表「動産損害額査定率表」の焼損、破損及び水損の区分に従い、り災状況に応じて減損率を求める。

※ 損害額は、算出した数値の1,000円未満を四捨五入する。

13 火災調査書の作成(第51条様式第19号関係)

様式中の記載要領は、次によるものとする。

(1) 作成者は、調査員とする。

(2) 年月日欄は、調査書を作成した年月日を記入する。

(3) 出火日時欄は、消防機関が火災になったと認定した時刻を記入する。

(4) 鎮圧欄は、現場最高指揮者が拡大の危険がなくなったと認定した時刻を記入する。

(5) 鎮火欄は、現場最高指揮者が再燃のおそれがないと認定した時刻を記入する。

(6) 出火場所欄は、建物火災、林野火災及びその他火災については、その発生した場所、船舶火災、車両火災及び航空機火災については、その火災を主として防ぎょした場所とする。

(7) 階数欄は、建築基準法施行令第2条第1項第8号によりを記入する。

(8) 建築面積欄は、建築基準法施行令第2条第1項第2号により記入する。

(9) 延べ面積欄は、建築基準法施行令第2条第1項第4号により記入する。

(10) 火災・原因概要欄は、り災概要と出火原因概要を記入する。

ア り災概要は、どんな対象物(構造、階数、用途)の、どんな場所(出火階数、出火用途、部分)から出火し、どのような被害が発生したかを記入する。

イ 出火原因概要欄は、「いつ」、「どこで」、「誰が」、「何を」、「何のために」、「どうした」、「どうなった」などを、簡潔かつ明瞭に記入する。

(11) 発見状況欄は、発見者の職業、氏名、年齢、性別、発見の動機・位置、発見時の火災状況、発見時の行動、自動火災報知設備及び住宅用火災警報器の作動状況等を記入する。

(12) 通報状況欄は、通報者の職業、氏名、年齢、性別等、火災を知った動機、通報状況及び通報後の行動等を記入する。

(13) 初期消火状況欄は、消火者の職業、氏名、年齢、性別等、消火時の火災情報、消火行動及び消火設備の使用・作動状況(効果)を記入する。

(14) 原因判定理由欄は、火災の規模等に応じて、「火災原因判定書」の作成を省略する場合には、火災調査書が火災原因判定書の内容を兼ねるため、「原因判定理由欄」に原因判定理由を記入する。ただし、「原因判定理由欄」に判定理由を書き切れないなどの理由によって、別途、火災原因判定書を作成する場合は、「原因判定理由欄」への記載については省略し、「原因判定理由欄」に斜線を引く。

原因判定理由欄には、次に掲げる点に留意し、出火原因の立証理由について分かりやすく記載するとともに、他の火源等についての反証理由も記入する。

ア 出火原因の認定理由

イ 事実の記載のみで認定理由が成立しない場合は、事実から導き出せる認定理由

ウ 焼損状況と申述内容が一致している場合など、第三者が認定した原因に何ら疑念を生じないような場合以外は、他の火源に対する否定理由

(15) 防火管理者欄は、出火建物の防火管理状況に関する内容について、該当する項目がある場合にチェックを記入する。

また、既存の防火対象物台帳や予防担当者が作成している資料など、他の資料によって記入を省略する場合は、本様式の直後に該当資料を添付する。

(16) 立入検査欄は、直近最終の立入検査時の結果又は火災直後に行われた立入検査の結果を記入する。

また、予防担当者等によって行われた立入検査の関係資料など、他の資料によって記入を省略する場合は、本様式の直後に該当資料を添付する。

(17) 危険物施設等欄は、一般的に次のような危険物等についての状況を記入する。

ア 許可・届出の内容

イ 法令違反の有無

ウ 位置・構造・設備の状況

エ 維持・管理の状況

オ その他

既存の防火対象物台帳や予防担当者が作成している資料など、他の資料によって記入を省略する場合は、本様式の直後に当該資料を添付する。

(18) 消防用設備等の設置状況・住宅防火対策欄は、一般的に次のような消防用設備等や住宅防火対策についての状況を記入する。

ア 設置基準に適合しているか

イ 作動状況と効果の有無

ウ 関係者等の操作・対応の適否

消防用設備等の設置状況・住宅防火対策欄の表上段は、消防法第17条に基づく消防用設備等の設置状況についてチェックし、表下段は一般住宅の住宅防火対策について設置等の対策がなされている場合にチェックする。

また、既存の防火対象物台帳や予防担当者が作成している資料など、他の資料の添付によって記入を省略する場合は、本様式の直後に当該資料を添付する。

(19) 備考欄は、火災について特記すべき事項があれば記入する。記載例としては次のようなものがある。

ア 過去の火災発生状況

イ 防火管理者・立入検査・危険物施設等に関すること以外の指導実施内容

ウ 出火建物の建築年月、増・改築、修繕、用途変更及び模様替え等の経過(類焼建物であっても、重要な建物等があれば記入を検討する。)

エ 出火時の人的状況等(居住者の在・不在の別、事業所の営業中・閉店後の別など)

オ 本火災により、取ることとなった火災予防対策等

第14 書類の併合

2以上の火災が相互に関連するとは、次の場合をいう。

(1) 出火原因が放火等による場合で、同一建物に放火してその場を去ったが、結果的に失敗し、再度放火を思いたち同じ建物の異なった箇所へ放火したとき。

(2) 連続放火等による場合で関係者等が同一人の場合

(3) 出火原因が火災による飛火によるもので、消防隊が引き揚げた後に発生したとき。

第15 写真台紙の作成(第51条様式第24号関係)

1 調査書類に添付する写真は、原則として電子データで扱うこととし様式第24号を用いてカラー印刷するものとする。なお、作成が完了した本様式はPDFで保存するものとする。

2 実況(鑑識)見分調査書に写真を添付する場合は、文章を先に記載し、写真を1ページに2枚まで掲載することができる。

第16 軽微な火災として取り扱うもの(第52条関係)

軽微な火災として取り扱うものは、焼損床面積30m2未満の建物火災、林野火災、車両火災及びその他火災とする。ただし、火災による死傷者が発生したもの、製造物について鑑識を行う必要があると認めるものを除く。

第17 軽微な火災で作成を省略できる火災調査書類(第52条関係)

1 出火出動時における見分調査書

2 火災原因判定書

火災原因判定書を省略する場合には、火災調査書が火災原因判定書の内容を兼ねるため、「原因判定理由欄」に原因判定理由を記入する。ただし、「原因判定理由欄」に判定理由を書き切れないなどの理由によって、別途、火災原因判定書を作成する場合は、「原因判定理由欄」への記載については省略し、「原因判定理由欄」に斜線を引く。

第18 報告書の報告期限

火災調査書類の報告は、当該火災の調査が終了した日の翌日から起算して60日以内とする。

第19 この要綱に定めるもののほか、火災調査に関し必要な事項については、火災報告取扱要領(平成6年4月21日付消防災第100号)及び標準火災調査書類作成マニュアル(総務省消防庁予防課)によるものとする。

この訓令は令和6年1月1日から施行する。

西置賜行政組合火災調査規程事務処理要綱

令和5年12月6日 訓令第3号

(令和6年1月1日施行)

体系情報
第8編 防/第3章
沿革情報
令和5年12月6日 訓令第3号