○西置賜行政組合再燃火災防止対策要綱

平成元年5月1日

(目的)

第1条 この要綱は、火災を完全に鎮圧し、再燃等の事故発生を防止するため、消防隊の行う残火の点検及び処理方法の基準を定め、消防活動の円滑な運用をはかることを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 火勢鎮圧とは、火勢が消防隊の制ぎよ下に入り、拡大の危険がなくなつたと現場最高指揮者が認定したときの状態をいう。

(2) 残火処理とは、火勢鎮圧後残り火を点検処理し、鎮火に至るまでをいう。

(3) 鎮火とは、現場最高指揮者が再燃のおそれがないと認定したときの状態をいう。

(4) 現場最高指揮者とは、火災現場において、消防隊を統括指揮する消防機関の最高指揮者をいう。

(5) 現場保存区域とは、火災原因調査等の必要上、保全すべき区域をいう。

(残火処理)

第3条 現場最高指揮者は火災現場の状況を判断し消防隊に残火処理等に当たらせる。

2 残火処理等の任務に当たる消防隊は、現場最高指揮者の特別の指示がない限り、火災現場を管轄する消防隊とする。

(消防団との連携)

第4条 前条に基づく、措置を行う消防隊は、火災現場区域を管轄する消防団と連携を密にし適切な措置を講ずるものとする。

(留意事項)

第5条 消防隊は、次の各号に掲げる事項に十分に留意し、事故防止に最善の努力をはらわなければならない。

(1) 一般人の立入り禁止区域への立入り指導

(2) 過大破壊及び水損事故の防止

ただし、現場の状況判断により特に過大破壊及び過剰放水を要する場合は、関係者の承諾を得、かつ立会い等を求めること。

(3) 警察官等との連絡調整

(緊急措置権の範囲)

第6条 消防法(昭和23年法律第186号)第29条に定める消防活動中の緊急措置権が行使できる範囲は別表第1のとおりとする。

(点検基準の遵守)

第7条 小規模火災又は、特異火災に出動した消防隊及び第3条による消防隊は、別表第2に定める残火処理大綱に則り、細部に渡り綿密に点検を実施し、再燃火災等の事故防止の徹底を期するよう努めるとともに、残火処理チェックカード(様式第1号)に必要事項を記載し、現場最高指揮者に提出し報告しなければならない。

(説示書の交付)

第8条 現場最高指揮者は、火災現場での残火処理及び、その他必要な措置を行い、鎮火を確認したときは、説示書(様式第2号)を関係者、又は代理人に交付し、注意を喚起するものとする。ただし、残火等処置の状況に応じ、特に支障がないと認めた場合にあつては、口頭による説示にかえることができるものとし、口頭説示対象者の住所、職業、氏名、生年月日、現場関係者との続柄を残火処理チェックカードに記録すること。

2 説示書が関係者等不在のため交付できがたい場合にあつては近隣住民又は分団長等に対し、説示に準ずる協力依頼書(様式第3号)を交付し、事故防止の徹底を期さなければならない。

(協力等)

第9条 残火処理等に当たる消防隊は、火災原因調査員と密接な連携をはかり、現場保存に努め証拠の保全を図るとともに知り得た資料を提供し、協力して火災原因の究明にあたるものとする。

(引き揚げ時等の措置)

第10条 現場最高指揮者は、現場を引き揚げるときは、関係者等に現場の監視、警戒の協力を求めるなど細心の注意をはらうよう努めなければならない。

この訓令は、平成元年5月1日から施行する。

別表第1

消防活動の推移区分

(1) 延焼火災の場合

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(2) ぼや(事後聞知を含む)火災の場合

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別表第2

残火処理大綱

構造別

特に残り火が生じやすい場所等

点検要領

搬出破壊要領

木造

屋根、小屋裏、天井裏、床下等

点検口(押入れの天井部分等)等から内部を視認する。

① かや、わらぶき屋根及び小屋裏に収容してあるわら等は、屋外の安全な場所に搬出する等の必要な処置を講ずる。

② 小屋裏、天井裏及び床下の点検には、天井、床等を一部破壊する。

家具類(タンス等)、戸棚の裏側等

移動させて火気及び煙の有無を確かめさらに内部の収容物を視認する。

① 収容物の内、衣類、書籍類で焼きしているものは、屋外の安全な場所に搬出する等の必要な処置を講ずる。

② 家具類、戸棚等を移動し、必要に応じ破壊器具等により局部破壊する。

押入れ、戸袋等

① 収容物を引き出し、内部を視認して、火気及び煙の有無を確かめる。

② 小屋裏への燃え抜け状況を確認する。

① 収容物等で焼きしているものは、屋外の安全な場所に搬出する等の必要な措置を講ずる。

② 小屋裏の点検は、天井、壁等を一部破壊する。

厨房等の火気使用施設周囲の鉄板張り内装裏面及び煙突の貫通部分等

変色部分等の表面を素手で触れて温度を確かめる。

変色部分等の表面温度の高い部分及び煙突の貫通部分を破壊器具等により局部破壊する。

かわら下地、畳の合せ目等

① 焼け止まり箇所等を視認する。

② 畳で焼きの深いものは、床板まで燃え抜けているか確認する。

① 畳で焼きしているものは、屋外の安全な場所に搬出する等の必要な処置を講ずる。

② 屋根の点検は、かわら及びその下地等を一部破壊する。

柱、梁、合掌等のほぞ部分等

① 視認及び素面を素手で触れて温度を確認する。

② 通し柱等に焼きがある場合は小屋裏、天井裏まで確認する。

必要に応じ、けん引ロープ等により柱、梁等を転倒、落下等させる。

焼き堆積物等

堆積物内部の火気を確認する。

① 可能な限りとび口等で掘起し、又は掘崩しを行う。

② 農薬、肥料、その他化学製品等で、注水、加熱等により発熱の危険性あるものは、できるかぎり屋外の安全な場所に搬出する。

布団、マット、繊維類、紙、木材、木くず類、わら類等

深部に残つた火気を素手で触れるなどして確認する。

消火器等で消火したもの又は変色しているものなど、できるかぎり屋外の安全な場所に搬出する。

強い放射熱を受けた部分、風下消防対象物の飛火危険箇所等

変色又は強い放射熱を受けたと予想される部分を素手で触れて温度を確かめる。

① 変色又は受熱温度等から必要に応じ破壊器具等で一部を破壊する。

② 布団、繊維類等深部に火気が残りやすいものについては、できるかぎり屋外の安全な場所に搬出する。

防火造

モルタル壁等の二重壁内等

変色又は強い放射熱を受けたと予想される部分を素手で触れて温度を確かめる。

必要に応じ、破壊器具等により二重壁の一部を破壊する。

その他木造及び耐火造に準ずる

耐火造(簡易耐火造)

ダクト、パイプスペース等のたて穴部分等

① 点検口等から内部を視認する。

② 直上階等へのたて穴部分等で埋戻しの有無を点検する。

③ 可燃物と接している部分を点検する。

① 押入等の収容物を引き出し、たて穴等の有無を確認する。

② ダクト等の一部を破壊する。

ダクト、パイプ等の壁体並びに床貫通部分の仕舞材及び埋戻し箇所等

① 点検口等から視認する。

② 変色部分等の表面を素手で触れ温度を確かめる。

ダクト、天井、側壁等の一部を破壊器具等により破壊する。

その他木造及び防火造に準ずる

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西置賜行政組合再燃火災防止対策要綱

平成元年5月1日 種別なし

(平成元年5月1日施行)